すごく今さらですが、舞台『グリーンマイル』感想

NEWS加藤シゲアキくん主演の『グリーンマイル』。東京グローブ座で10/2の夜公演に観劇しました。非常に上質で素晴らしい舞台で、これまでにないくらい一生懸命電話をかけて当日券キャンセル待ちで中に入れていただき、二度目の観劇をしたのが10/14です。
脚本・演出が瀬戸山美咲さんだと発表されたときから、シゲときっと相性がいいに違いないと嬉しくてたまらなかったこの組み合わせ、やはりたいへんなものを作ってきてくれました。こういう舞台にシゲが主演できたことがほんとうにほんとうに嬉しく、どこだかわからないけれど関係各所に感謝でいっぱいでした。案の定客席はジャニーズファンで満席でしたので、もちろんこの上質な舞台をジャニーズファンが観られることも嬉しかったですが、ぜひとも演劇好きなひとに観てほしい、カンパニーのみなさんのファンの方に観てほしい、と心から思う舞台でした。観たときから時間が経ってしまったのできちんと書けるかわかりませんが、書いておこうと思います。

長くなるのでたたみます。

舞台セットは非常にシンプルでした。ほとんどなにもないところが様々な場面に変化するのを観るのがこの上なく好きな私は、これだけでかなり期待度が上がりました。たまらない。ここにどんな風景が浮かび上がるのだろう、と開演前からテンションが上がって仕方ない。

一度目の観劇のときはとても良い席で、2列目の上手寄りのセンターあたりでした。照明がついたときシゲの背中がほぼ目の前にあるような位置。看守の制服に身を包んだシゲの背中を見上げ第一声を聴いて、やはり舞台向きだなぁとすでに鳥肌が立っていました。コヤシゲを小中劇場に推している私としては、舞台に立っている姿が実に堂々としていて嬉しい。あと、生で見るシゲはテレビの三倍くらいイケメン。いつものことだが。
二度目に拝見したときは二階下手側の補助席で、下から観るのと上から観るのとでは見え方が随分異なり楽しめました。もちろん、かなり寄っていたので見切れは発生しましたが、いれてもらえただけでも嬉しいので問題なし。後ろだから(?)心おきなく泣けるし。

あらすじはみなさまご存知のとおり(と言っても私は映画未見、原作未読で知らなかったが。こんなにファンタジー要素のある話だとは思っていなかった)。シゲはグリーンマイルの主任看守・ポール。収監されてくるコーフィ(把瑠都さん)の不思議な力をめぐるお話です。
ポールはストーリーテラーですので、彼の視点から物事が語られていきます。囚人の扱いも同僚に対する態度も酷いパーシー(伊藤俊輔さん)の言動にイライラしつつも、コーフィ事件の概要を聞かされ客席はすぐに違和感を覚えました。「もとに戻そうとしました。でも遅かったです。」これがコーフィの真実なのですけれど、あまりにも言葉が足りなくて伝わらない。コーフィは死刑判決を受けてグリーンマイルにやってきたわけです。グリーンマイルは刑の執行を待つ囚人ばかりが集められる場所ですから、死刑までせめて心やすらかに過ごせるよう、そして看守たちの心を守れるよう手を尽くすことが最優先で、冤罪かもしれないという疑念はけっこうギリギリまで浮かばないのです。もっとはやく勇気ある誰かが気づいていたら、もっとコーフィの人生が楽しいものであったなら、きっと彼はここにはいなかっただろうとラストに向かうにつれ涙を禁じ得ない。コーフィはあまりきちんとものごとを憶えておらず、ほとんどの質問に対して「わかりません」「憶えていません」と答えるのです。その理由も悲しい。忘れてしまえば夜眠れないこともないから、憶えていなくていいのだと…。それなのに小さいころ誰かに教わった祈りの言葉を、最後、死刑の直前に唱えたいと言い出す。粛々と電気椅子に進んでいく長い長いグリーンマイル。舞台上に見事に浮かび上がっていました。緑の長い廊下と冷え冷えとした空気と鉄のにおいを確かに感じました。すごかった。電気椅子に座って、水を含ませたスポンジを頭にのせられて、暗いところは怖いからとマスクはせず、死んでいったコーフィが最後に感じたものが頭のてっぺんの冷たさだったのだと思うと、もうなんだかとめどなく涙が溢れてしまい、あのあたりからよく見えていませんでした。悲しくてつらい。それとも、最後に理解者を得たコーフィは幸せだっただろうか。幸せだったとしたら、それはポールにとって本望だったろうか。

…もうこんな感じで、たいへんでした。感情をたくさん味わい、たくさん投影し、見ているほうもすごく消耗する舞台でした。役者さんもつらかったろうな。でもきっと面白かったに違いない。

ただ、コーフィの死刑について違和感を感じ、お前が死ぬ理由はない!とポールも同僚のブルータス(中山祐一朗さん)、ディーン(永田涼さん)もいうのだけれど、こればかりは私は迎合しかねた。だってコーフィは、所長(小野寺昭さん)の奥さん(加納和幸さんの二役)から吸収した悪いもの・脳腫瘍をパーシーに入れ、コーフィ事件の真犯人であるウォートン(鍛治直人さん)を殺させてしまったのですから。あの行為は間違いなく殺人だし、実証できなくとも殺意があったと私は感じました。ここのね、パーシーが腫瘍成分を入れられたシーンは非常に怖かったです。伊藤さん、うますぎる。初めて拝見する役者さんでしたが(たぶん)、もーう怖くて。パーシー死んじゃうんじゃないかと心配しましたし、こっちの筋肉がつってしまいそうでした。そこまでも嫌なやつっぷりを余すところなく表現していて素晴らしかったな。映画も原作も未見なのでわかりませんが、パーシーにはパーシーの背景があるはずで、きっと彼はなんというか…死に惹かれていたのだろうな。それもすごく残虐な意味で、他人の死として。だからこそのデラクロア(加納和幸さん)への仕打ち。あのシーンも非常に恐ろしかったな…。あそこで第一幕がバツン!と終わるのが非常に効果的だったし、二幕の最初でウォートンが歌うことでなにがあったか示唆されるのが不気味でした。むむむ、おそるべし瀬戸山美咲…。

あと印象的だったのは、きっとみなさん素敵と思われたでしょうが、グリーンマイルを抜け出して所長宅へ向かうトラックの荷台シーン。星がきれいでしたね。コーフィの顔もよかった。ちらちらと光がまたたく冷たい冬の空気がきちんと流れていて、舞台ってほんとうにすごいな…!と感心しました。このシーンもまぁよく泣いたな。憶えていなければ…というセリフの出てくる場面ですね。
舞台のつくりとしていいなと思ったのは、第一幕と二幕で上手下手の配置が逆になることでした。これはたぶん、シゲファンのために考えてくれたんじゃないかと勝手に思っています。シゲは自席にいることが多かったですからね。

死刑について看守たちが話をする場面はきりきりと胸が痛みました。私がこれまで観た演劇のなかでかなり好きだったもののひとつに『4 -four-』という舞台があります。これは犯罪被害者の家族たちが役割分担をして寸劇を行っていくなかで死刑とは、ひとが裁くとはどういうことか考えていく…というものでした。くるくると立場が入れ替わっていき、苦しくなりながら観ました。あれのときも同じように、裁くものの苦しみが語られていましたね。ディーンがあのあと退職してしまったと言っていましたからね…。

コーフィは最後、ポールに自分の命を入れ込みました。そのせいでポールはひとより長生きし、長い長いグリーンマイルを歩き続けねばならず、それをポール自身は自分の罰と考えているようでした。私には、コーフィは単にポールに感謝の印として命を渡したのだろうなぁと思え、その食い違いも少し切なく感じました。

終始、とても上質な舞台でした。今年観たなかでも好きだった舞台のかなり上位にはいる。こういう舞台は、舞台が好きでよく観ていてもなかなか出会えません。そういうものを見せてもらえたこと、こういう舞台にシゲが主演したこと、本当に僥倖でした。関係各所に感謝してやみません。もし、これをきっかけに演劇に興味を持って、たとえば瀬戸山美咲さんの舞台とか、パーシーくんの出演舞台とかを観に行くひとが出てきて、舞台ファンが増えてくれたらなによりだなぁと思います。私もまた瀬戸山さんの舞台見に行こう。本当にほんとうに、素晴らしかった。シゲ、素敵な時間をありがとう。
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来海あや

Author:来海あや
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潤くんに偏りつつ、五人で嵐な彼らが大好き。絶賛応援中です。舞台俳優・岡田達也さんも大好き! 最近はNEWSさんも応援してます。

この場所では、嵐さん・観劇・薬学と研究などについて書き散らしています。まぁ、毎日たくさんの元気と幸せをくれ、憧れてやまない嵐さんへの想いを綴っていることが圧倒的に多いです。

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